平成29年度古川黎明中学校・高等学校入学式 式辞

 やわらかな日差しとそよふく風に、希望の春を迎える季節となりました。本日この佳き日に、本校PTA会長鈴木優幸様,同窓会会長千葉典子様をはじめ、多くのご来賓の方々、並びに保護者の皆様方のご臨席のもと、平成二十九年度入学式を挙行できますことは、まことに喜びに堪えません。
 ただいま、中学校百五名、高等学校二百三十二名の新入生を迎え入れることができました。教職員、在校生を代表しまして心から歓迎いたします。
新入生のみなさん、入学、本当におめでとう。
また、保護者のみなさまにおかれましても、本日の我が子の晴れ姿を目の当たりにされ、感慨もまた一入(ひとしお)のことと存じます。心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
 さて、本校は、大正九年に創立して以来、今年度で九十七周年を迎える、長い歴史と伝統を誇る学校です。平成十七年に、県内初の併設型中高一貫教育校「古川黎明中学校・高等学校」として再スタートをし、十三年目を迎えました。
 本校では、「想像力の育成」、「自主・自立の精神の育成」、「共生の心の涵養」の三つを教育目標に掲げ、「確かな知性、旺盛な自立心、広い共生の心をもって、自己の使命を見出し、国際社会に貢献する人材」の育成を目指して教育活動に取り組んでおります。
 平成二十四年度から進めてきたスーパー・サイエンス・ハイスクール事業はこの三月をもって第一期目が終了し、今年度は一年間の経過措置となりました。来年度からの再指定を目指して取り組みを続けていく運びです。
 ところで、この校舎は三年前に完成した真新しいものであり、またこの秋までは、旧校地にサッカー、野球、ソフトボール、ソフトテニス、ハンドボール、弓道などのスポーツ施設が整備される予定です。完成の暁(あかつき)には、一層充実した教育環境を有することになります。本校では、この恵まれた教育環境のもと、中高一貫教育校としてさらに魅力あふれる学校づくりを推進して行くべく、全教職員が一枚岩となって持てる力を十二分に発揮し、教育活動に取り組んで行こうと決意を新たにしているところです。
 新入生のみなさんは今日からスタートする古川黎明での生活に期待と希望で胸をいっぱいにふくらませていることと思います。中学校の三年間は大人への入り口、高校の三年間は大人への出口と言われます。みなさんがこれから迎える学校生活は、大人社会への準備期間であり、みなさんの今後の人生の道探し・道づくりの時期になるとても大切な日々でもあります。みなさんの今後の人生を実り豊かなものにするために、これからの古川黎明での生活をぜひ有意義で充実した日々にしていただきたいと思います。
 そこでこれからの古川黎明での生活をスタートさせるにあたり、みなさんに本校の校訓「尚志・至誠・精励」についてお話します。
 一つ目の「尚志」は、「志を高く持ち、目標を掲げよ」ということです。私は、人生で大事なことは夢を持つことであるととらえております。夢は人を強くします。夢は人を励まします。夢は人が迷ったとき、道を照らす星になってくれます。若いみなさんには、ぜひ、夢を大きく持ち、あきらめることなくその実現に向けてこれからの生活を頑張っていっていただくことを大いに期待しています。
 校訓の二つ目の「至誠」は、「普段やらなければいけないことを、真剣に、誠心誠意おこなう」ということです。これは、幕末の思想家吉田松陰が門下生に語り続けたもので、「至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり(精一杯心を込め、やるべきことを尽くせば、それで動かされない人はいない)」という言葉が有名です。みなさんにたとえると、勉強はもちろん、部活動や生徒会活動、学校行事、清掃、友だちづきあい、家庭でのお手伝いなど、何事にも正面から向き合い、手を抜かずに真剣に取り組むことが大切です。
 三つ目の「精励」は、文字どおり「精を出して励む」ことです。何をやるにしても、最後まであきらめずにコツコツと粘り強くやり続ける事が大切です。「コツコツが勝つコツ」。イチロー選手も「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道である」と、努力を続けることの大切さを話しています。これからの学校生活の中で、勉強や部活動はもちろん、何事にも諦めることなく、粘り強く取り組んでください。努力は必ず報われます。
 以上、本校の校訓についてお話しました。これから始まる学校生活で、いろいろなことに挑戦し、持てる力を存分に発揮し、さまざまな経験を積んでください。そして、自分をたくましく成長させていってください。
 先生方はみなさん一人一人が古川黎明の生徒としての誇りと自信を持って、充実した学校生活を送ってもらえるよう、力を合わせて支援し、全面的に協力していきます。私たちもがんばります。みなさんもがんばってください。
 保護者のみなさま、本日からお子様を卒業まで、本校でお預かりすることになりました。この古川黎明中学校・高等学校の学舎の中でお子様が大きく成長し、卒業の時にはそれぞれ希望した進路が達成できますよう、教職員一同最善を尽くす所存です。
 中学校・高校時代は、子どもたちが責任ある大人として、自立していく重要な過程のまっただ中にあり、成長と変化が著しいときです。保護者のみなさまにおかれましては、お子様の努力の様子を、常に温かく、時には毅然として見守っていただきますようお願いいたします。
 今後、教育を進める中で、ご家庭との連携がますます重要となってまいります。今後とも本校へのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 結びに、ご多用の中、ご臨席を賜りましたご来賓、並びに保護者のみなさまに重ねて感謝を申し上げますとともに、新入生のみなさんがこれからの学校生活の中で、互いに励まし合い、支え合いながら切磋琢磨し、たくましく成長してくれることを大いに楽しみにして、式辞といたします。

        平成二十九年四月七日
宮城県古川黎明中学校・高等学校 校長  阿部 修一