校長室から皆様へ
新校舎落成記念式典・式辞
日一日と秋も深まり,本校校木の白梅も,葉を落とし始め,静かに冬に向けた装いを整え始めたところであります。
この佳き日,多数のご来賓のご臨席のもと,本日ここに宮城県古川黎明中学校・高等学校新校舎落成記念式典を挙行できますことは,誠に喜ばしい限りであります。ご臨席の皆様に対しまして,厚く御礼申し上げます。
おかげさまで,このように大変素晴らしい校舎が完成いたしました。工事関係者の皆様,宮城県教育委員会並びに,ご協力いただいた関係者の皆様に対しまして,深く感謝申し上げます。
本校は,大正9年,志田郡立古川高等女学校として開校し,戦後の学制改革により,宮城県古川女子高等学校となりました。平成17年4月には,宮城県内の公立学校初の併設型中高一貫教育校,「宮城県古川黎明中学校・高等学校」として再出発しました。
また,今年は,古川高等女学校が開校してから93周年を迎え,これまでの長い歴史に培われ,積み重ねられた良き伝統は,今も脈々と生き続けております。この春までの卒業生総数も,中学校も含め,二万九千人を超え,県内各地のみならず国内外にわたり,優れた人材を数多く輩出してきました。
さて,これまでの校舎を振り返ると,初代校舎は,開校2年目の大正11年3月に,仮校舎の志田郡役所から現在地に新築移転しました。その後,昭和38年3月に二代目校舎の第1期工事が竣工し,7年後の昭和45年に最終第7期工事が竣工しました。
初代校舎は木造で,当時の卒業アルバムを開いてみると,懐かしさを感じさせる趣のある校舎で,40年以上にわたり大崎地区あこがれの女子校の校舎として使われた歴史がありました。二代目の校舎は鉄筋コンクリートの近代的な校舎となり,今年7月まで約50年にわたり,たくさんの卒業生,在校生に親しまれ,大切に使われてきました。
今年7月,三代目となる新校舎が完成しました。限られた敷地内に,様々な工夫が取り入れられ,バリアフリーはもちろんのこと,環境に配慮した設備も設置され,より安心・安全な校舎となりました。
これまでは,中高一貫教育校とはいえ中学生,高校生が別校舎でしたが,現在は南校舎に全生徒が揃いました。各フロアには中学校・高校の特別教室などが効果的に配置されるなど設計にも工夫がなされており,今後さらに中高の連携を推進していきたいと考えております。また,校舎中央に配置されたこのアリーナ,北校舎四階の大講義室などは新校舎自慢の施設設備であります。
本校は,歴史と伝統を踏まえ,「尚志」「至誠」「精励」の校訓を基に,「創造力の育成」「自主・自立の精神の育成」「共生の心の涵養」の三つの教育目標を掲げ,様々な教育活動に取り組んでおります。
また,昨年,文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受けました。これは,高校だけではなく,中学校を含めた全校生徒を対象としたものであります。今年度は2年目を迎え,少しずつその成果が現れ始めてきました。理科や数学に対する興味関心の高まりのみならず,コミュニケーション能力の高まりも感じられるようになってきました。今後は,新校舎の素晴らしい施設設備の活用により,尚一層,教育活動を充実させ,発展させるよう努めていきたいと考えております。
次に生徒の皆さん。言うまでもなく,この新しい校舎は,学校生活を有意義に過ごすために作られた,生徒の皆さんのものであります。そして,これから入学してくる未来の生徒のものでもあります。さらに,地域に開かれた学校として,宮城県民のものであります。これまで同様,校舎に優しく接し,丁寧に使い,いつまでも,50年先までも美しく保つように心がけてほしいと思います。この新校舎で生活できる喜びと幸せを忘れることなく,感謝の気持ちを持ち続けてほしいものであります。
われわれ教職員も,新しい環境で教育活動に取り組める喜びを胸に秘め,新校舎という最大最強の教育環境を十二分に使いこなし,チーム黎明として教職員が一丸となり,校訓,教育目標の達成に向けて,生徒,保護者そして地域の皆様とともに,古川黎明中学校・高等学校の教育活動に邁進して参りますので,今後とも,皆様方のご支援,ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが,本日はご多用のところご臨席を賜りました,ご来賓の皆様に心より感謝を申し上げ,式辞といたします。
平成25年10月25日
宮城県古川黎明中学校・高等学校
校長 庄子 英利